#ほぼにちらーめん

プロのラーメン断食家であるボク,らーめ人間Zが可能な限り毎日タンタンとメンタルしっかり政治・経済・社会・技術の垣根なく知らなかったことを知るために書いているただの日記ブログ.よろしくね,ピース.ほぼ日刊イトイ新聞とは無関係.写真をはじめとした皆あまねく全てのコンテンツの無断転載はお断り!

震災6年の節目に考える災害心理学。

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 ボクはらーめ人間Z。普段はらーめん視点でしかブログが書けないまともない人間を標榜している。だが今日は東関東大震災6年の節目の日。今日一日くらいは厳かな気持ちでまとも人間として過ごしたい。一時的にラーメン卒業(内部リンク)。今日一日まとも人間。

 巷のまとも界では(今日はボクもまとも人間のつもりなのだがレトリックはいつもどおりで行きたい)安倍晋三首相が震災6年の節目だということで首相による3.11会見を「だが断る」して話題だ(外部リンク)。ボクは6という数字は区切りが悪いと思う。6年で節目というのは区切りとしてとても悪い。それならば何故5年の昨年でおしまいと言わなかったのか。なにより国民に災害のことを忘れさせないための会見ではないのだろうか。それならば節目なんてそもそもないとボクは思う。まとも人間の考えることは分からない。まとも人間に今日一日はボクもなっているはずなのに。冒頭からまとも退学させられてしまいそうでヤバい。

 だからあえて安倍晋三首相のことは放っておこう。文字数の無駄だ。

 ここからが本題の話。災害や事故に巻き込まれたときにどうしたら生き残れるか。ボクは震災や事故に巻き込まれたら「逃げおくれない」ことが大事なことだと思っている。震災時の人の心理を学ぶのにボクは震災後に一冊の本を読んだ。人はなぜ逃げおくれるのか―災害の心理学 (集英社新書)という本だ。東関東大震災から6年が経った。それでも震災や事故に巻き込まれた時に如何にしたら生き残れるかということを学ぶのにこの本以上に示唆に富んだ本をボクは知らない*1。この本については数多くの方が書評を書かれている。なのであえてボクがここで書評を書くことはせず、ボクが秀逸と思った書評を書かれていた方のエントリを紹介しておきたい。はてなブログのレジェンド超人で美しい文章を書かれることで勇名を轟かせたRyoAnnaさんの映画『ゼロ・グラビティ』と災害心理学 - 人はなぜ逃げおくれるのか - #RyoAnnaBlogがそのエントリ。当該の本で書かれていることのRyoAnnaさんによる要約と解釈は秀逸。読まれたい。

 ボクは当該本から「正常性バイアス」の怖さを学んだ。危機に巻き込まれたとき、人は「自分だけは大丈夫」だと思ってしまう。巻き込まれている危機に対して鈍感になってしまうのだ。実際、ボクが6年前、震災を生き残れたのはタマタマだったと思っている。6年前の2011年3月11日、ボクは東京で震災に巻き込まれた。震度は5だったと記憶している。ビルが倒壊したりといったことはなかったのでしばらくオフィスで様子を伺っていた。ツイッターなどで続々と入ってくる情報で東北での津波による惨状を目の当たりにしていた。しかしいつまでも職場に逗まっているのもと思い帰宅することを決意し、20時ごろに帰路についた覚えがある。まさかその後、電車が完全に止まって帰宅困難に陥るといったことは全く頭になかった。電車は動くものだと思い込み、当時の職場から歩いて数キロのとある大型商業施設のフードコートでたこ焼き(たしか銀だこだった)を食べて電車が動くのを待って時間を潰していた記憶がある。その大型商業施設まで移動していたのはその近くの駅から乗れる電車は動きそうだという情報をツイッターで確認していたからだ。

なぜらーめんではなくたこ焼き?という疑問を持たれる方もいるかもしれないので答えておくと当時のボクはらーめんを今ほどは食べていなかったのだ。今にして思うとあの日営業を継続していたらーめん店はどれだけあったのだろう。真面目なことを書くと個人経営なら震災時は早めに店じまいした方がよいのではないかと思われる。ボクが時間を潰すのに利用した大型商業施設に関しては最終的に避難所になっていたように記憶している。

結局、その日ボクが乗ろうと思った電車は動かなった。幸いモバイルバッテリーをいつも携帯していたので、数十キロ離れた自宅まで歩いて帰った。途中、道路を歩いて進む他の人々の姿も多く見かけたがその姿はまるでゾンビのようだった。震源となった東北からは遠く離れた東京で被災してもそんな惨状だったのだ。

 ボクはタマタマ6年前の2011年3月11日、歩いて自宅まで帰宅することができてしまった。しかし、これがもし首都直下型地震だったらと思うとゾッとする。前回、ボクも例外なく正常性バイアスの犠牲者だった。もし首都直下型地震が起きた時に6年前と同じような行動をボクがとったとしたら「逃げおくれる」などして生き残ることは困難だろう。災害や事件に巻き込まれた時、自分だけは大丈夫だと誤認しないよう災害への危機意識は常に醸成しておかないといけない。

 今日はそういう意味で震災や事件が起きた時に自分がどう対処するべきかを再考するのにとてもよい日だ。東京では防災ブック「東京防災」|東京都防災ホームページというのを配っている。正直なところ初めて読むときは紙の本でよいので配ってくれたことはありがたいのだが、携帯するのには不向きだ。電子書籍版が無料でダウンロード可能になっているので、万が一のときのためにダウンロードしておくのがいいだろう。

 
 先日までガッキーまじ天使で「逃げるは恥だが役に立つ」と世の中盛り上がっていた。ボクはガッキーはまじ天使だと思う。しかし「逃げるは恥だが役に立つ」という言葉は嫌いだ。危機に面したら逃げるのは恥じゃない。「自分だけは大丈夫」と思い込んでしまうことで逃げおくれてしまっては命を落としてしまう。そもそもいついかなるときも逃げるのは恥じゃない。危ないと思ったら逃げるべきだ。難しいのは最適な判断を下すことだ。危機に面した時にパニックにならず最適な判断をして逃げおくれないためには訓練が必要だ。修行大事。東関東大震災から6年目の節目、災害の心理を再考したい。皆さまにもこの6年目の節目に再考されることを願っている。危機に面したとき一人でも多くの方が最適な判断を下すことができる。そして逃げおくれず生き残ることができる。そんな世の中をボクは願っている。

インスパイアされたエントリや与太話のコーナー。

 例によってYahoo! JAPANでは「3.11」をYahoo!検索することでひとりにつき10円の寄付がなされる企画をしていた。もちろんこれに参加しない理由を探す理由の方が難しいのでボクも参加した。Yahoo!の検索エンジンはGoogleの検索エンジンを利用しているはずなので、ほとんど同じ結果が返ってくる。検索結果として得た以下のふたつのWikipediaページをせっかくだからボクは読み返しておいた。参考までにリンクも貼っておきたい。

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お題「らーめんあまり関係ない雑記。」によせて書きました。アイキャッチは避難訓練の「おかしもな」のイラスト。「押さない、駆けない、喋らない、戻らない、泣かない」の頭文字を取った「おかしもな」らしいのだが、これを実際に災害の時にやるとなるとこれはこれでまた難易度が高い。普段から如何に危機意識、防災意識を醸成しておけるかがキーになるだろう。いらすとやさんは防災意識、高そうだ。)

*1:この本しかボクが見つけられていないだけだからかも知れないが