ボクはらーめ人間Z。らーめん視点からでないとブログが書けないまともない人間だ。平和を愛するボクは平和祈願のラーメンハンガーストライキへとラーメン断食を昇華させてしまった。100日超えて現在進行形でラーメン断食ングを続けるボクはプロのラーメン断食家だ。ボクはプロのラーメン断食家を名乗っているが、こんな阿呆なことを狙いすまして布石打ちまくっているのはボクだけであるので、プロのラーメン断食家の権威はゼロである。権威ゼロ。レスザンゼロ。永遠のゼロ。早くまとも人間になりたい。
しかし世の中というものはとかく《権威》という言葉に弱いものである。ラーメン俗世にも毎年《権威》という言葉を安直に振りかざすラーメン神という阿呆神の集まりの綴った雑誌が刊行される。TRY本(以降もTRY本と表記)という俗称で呼ばれるその本は正式名称を「TRY(東京ラーメン・オブ・ザ・イヤー)」というらしいが、 自らを称して《業界最高権威》を謳う当該本の態度はまさに傲岸不遜で居丈高である。ナニ食ってると自らをもって《業界最高権威》などと天狗風を吹かせられるのかボクには理解できない。
「縦型ビッグ 麺魚 濃厚鯛だしラーメン」を食ってみたよ。
そんな《業界最高権威》に選んでいただけるというのはラーメン業界においては名誉ということらしい。日々ラーメン食って後悔してるだけのオッサンやオバハンにどれほどの《権威》があるのかボクには理解できないが、当該本に掲載すると平身低頭の体でラーメン店主が「ありがたや」している様をみれば、たしかにラーメン神なのであろう。ボクには阿呆神にしか見えないので、そういった光景をみていると、ボクはさらにラーメン断食になってしまう「ありがたや」。(関連記事:参照*1)。
どういうカラクリなのかはボクは内部事情を知らないからよくわからないのであるが、TRY本でいい評価をもらったラーメン店のラーメンは東洋水産株式会社がカップ麺にするようである。なぜ東洋水産株式会社がカップ麺つくるのかはよく分からない。TRY本のスポンサーが東洋水産株式会社だからなのかもしれないし、そうではないのかもしれない。
そんなTRY本でいい評価をもらったお店のカップ麺「縦型ビッグ 麺魚 濃厚鯛だしラーメン」が例によって気づいたらボクのウチのカップ麺ストック置き場においてあったときにはボク自身驚いたものであったが、家人の誰かがボクを気遣って買って置いておいてくれたのかもしれないし、ブログメンバーのイタズラ者であるMあたりが嫌がらせで買ってきたものをいつの間にかもらっていたのかもしれない。
麺魚というお店自体はオープン当初から鯛ラーメンというので話題に昇っていたラーメン店であるのでプロのラーメン断食家であるボクですら知っている有名店である。プロのラーメン断食家のボクは行列が大嫌いであるので、長蛇の行列を日々アッピールする当該ラーメン店に言ったことがないというのは言うまでもない。
例によって実際のお店の方に行ったことがないので食べ比べはしようがないわけであるが、いつの間にかあったカップ麺は食わねばならない。ボク自身が気づかぬうちに買っていたのかもしれないし、いつの間にか家人が気を利かせて買ったのかもしれないし、もしかしたらいつの間にかもらっていたのかもしれないが、それは問題ではない。ボクは食べずに捨てるようなフードロスは断じてしない人間なのである。
「縦型ビッグ 麺魚 濃厚鯛だしラーメン」の作り方は蓋の上に書いてあった。(1)蓋の上の特製スープを剥がしてとっておく。(2)矢印のあるところまで蓋を開けて、内側の線まで沸騰した湯を入れてHey Siriして4分のタイマー。(3)時間が経ったら、取っておいた特製スープを入れてよくかき混ぜて完成。 … といった具合だ。
「縦型ビッグ 麺魚 濃厚鯛だしラーメン」はかなり美味しくなかった。
手順に沿って作っていったわけだが出鼻をくじかれたのは、蓋を開けた途端に粉が飛んできたことである。ボクの買った「縦型ビッグ 麺魚 濃厚鯛だしラーメン」だけだったのか、それともどの「縦型ビッグ 麺魚 濃厚鯛だしラーメン」もそうなのかは知らないが、かなり粉々しいカップ麺だったようである。湯は沸かしておいたので、湯を注いでからの4分は何をしていようと自由だ。食ったのが少し前の話になるのでその4分間、ボクが何してたかは覚えていないが、日々インスタで二日酔いを後悔するラーメン神のように酒飲んで待ってなかったことだけは確かである。例によってHey Siriで4分タイマーをお願いしていたので、Siriさんが4分経ったところで「そろそろ阿呆なことをやっているのをやめるんだ」と警告を頂いたことは言うまでもない。4分間何をしていたかは覚えていないが、阿呆の血がしからしむ阿呆な所業をしていたであろうことはボク自身想像に難くない。
手順通り、特製スープを入れて、よくかき混ぜて完成であるわけだが、ここでもボクがひっかかったのは、あまりにも出来映えがパッケージのお店のラーメンと違うことである。どういう目をしているとこんなに違うものをつくれるのかというくらい違うわけであるが、きっと味は似ているのだろうと一口レンゲでスープをすすってみた。まるで鯛の味は、しない。お店に行ったことはないが鯛で出汁をとった食い物くらいは食ったことがボクにだってあるわけなのである。鯛を出汁に使っているなら、スープ飲めばそれくらいは分かるのである。しかし、このカップ麺からは鯛の出汁の味は微塵も感じられない。麺もなにやらどん兵衛やら赤いきつねのようなカップ麺のうどんのような麺であった。一体何をどう味をお店によせるとカップ麺のうどんのような麺をつかうことになるのかよく分からない。あまりボクは普段、美味しくないということは言いたくないのであるが「縦型ビッグ 麺魚 濃厚鯛だしラーメン」はかなり美味しくなかった。麺魚の店主が監修していることになっている「縦型ビッグ 麺魚 濃厚鯛だしラーメン」であるが、よくこんな出来映えにゴーサインを出せたものである。間違いなく、お店のラーメンとは月とスッポンに美味しくないカップ麺なのであろうが、わざわざどんだけカップ麺の方が美味しくないかを確認するために、行列に並んでお店に味を確認しに行こうと思うようではプロのラーメン断食家は成り立たないのである。
余談であるが、「縦型ビッグ 麺魚 濃厚鯛だしラーメン」の食塩相当量 は7.4グラム(めん・かやく 2.8 g 、 スープ 4.6 g)とかなりカップ麺の中でも多めである。美味しくなかったが麺とかやくはなんとか完食したが、ボクはマゾではないので残ったスープは全て捨てた。それにしてもこんな美味しくないカップ麺をバンバン市場に投下する媒体となっているTRY本とは一体何なのであろうか。業界最高権威とは美味しくないカップ麺を市場投下する業界最高権威であろうか。よく分からない。
(お題「復習らーめん。」によせて書きました。)
*1:神様がボクをラーメン断食にした。そこに選択の余地はなかった。