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本日のおしながき:愚直のとんこつラーメン
650円に抑えるために厳選された食材が丼の中に踊る。それでこの美しさ、かつ美味しさを実現できるのはもはや脅威。店主の日々の実直さ、真面目さ、そして屋号通りの愚直な研鑽の賜物としか言いようがない。
- ラーメン屋 / 愚直
- 今日の一杯 / とんこつラーメン (2016年142杯目)
- 値段: ¥650 +味玉100円+メンマ150円
- 日付: 2016-10-22
ひさびさの未訪らーめん店の開拓は中板橋のとんこつ有名店、愚直さんへ。
この日は六感堂さんが大つけ麺博の準備ということで、週末なのだが限定麺の提供がなかった(翌23日のみの提供だった)ため、他に行きたいラーメン屋さんのあてを探っていた。
未訪のお店を開拓するか、はたまた普段はなかなか行けないお気に入りのお店を再訪するか。
最初に頭に浮かんだのは仙川のしば田さんだったのだが、残念ながら臨休の報を早々(前日)にキャッチしていたのでアウト。
そうなると未訪店の開拓しようかってことで、気になっていたお店を挙げると、上板橋の魂の中華そばさんと中板橋の愚直さん。
どちらも大変気になっているお店だったのだが、豚骨らーめんを久しく食べていないので中板橋の愚直さんに行くことにした。
愚直さんは最近Twitterを始めてくださったので営業情報が取得しやすくなり有難い。店主のワンオペで営業されている関係もあってか体調を壊されたり等、臨休が多いのでTwitterを始めてくださるまでは予定を立てて行きずらかったのだ。
個人的に嫌いな「愚直」という言葉もポジティブに解釈できる店主の働く姿、らーめんに向き合う姿勢。
中板橋の駅から徒歩8分という場所だったがよく確認すると川越街道沿いにあるらしい。しかし、このお店のある近辺、普通に歩いたことがあったがそれらしいお店があった記憶がなかった。だが、それは実際に行ってみて謎が解決した。
というのもお店には看板らしい看板がなかったのだ。さらに閉まっていたらこれがお店であるとは分からなかっただろう。予めそこがラーメン屋であると分かっていないと分からないそんな佇まい。これは何も考えずに歩いていたら目にとまらないわけだ。(ちなみに愚直さんはTRY本2016で名店の豚骨1位だったのを記憶していたのであとでTRY本2016版を見返してみたのだが、目立った看板もないのに行列の絶えないといった踊り文句があり、たしかにその通りだな、と独り頷いたりした)。
ちなみにお店の開店は12時と遅め。最初から並ぶ覚悟をしていたので、開店25分後くらいの12:25前後から並んだ。
実は並んでいる人数はそんなに多くはなかった(おそらく回ってきたのは2巡目だったのだと思う)が、店主がワンオペで調理されている関係で回転が頗る悪いらしい。これも想定内。外での待ち時間は30分ほどで、13時頃に入店することができた。
オーダーは食券機で食券を事前に買うスタイル。硬派なメニューのラインナップはとんこつラーメンとつけ麺のみ。
※このエントリを公開した11月19日(土)現在ではつけ麺は一旦提供がとまっている。店主がもう一度勉強し直しているようなので、またいつか食べられるようになることを願いたい。
ちなみに実は愚直という言葉。わたしの場合、日常生活の中においては嫌いな言葉のうちの一つだったりする。というのも古き良き日本企業のガンバリズムのような根性論的な響きがするからだ(それこそ電通の鬼十則みたいな)。しかし、ことこのお店の名前として聞いたときにはいい意味でしっくりくる。実直とか生真面目、勉強熱心という印象で聞こえるからだ。それは先に紹介した店主のツイッターの日々の呟きからも感じるし、実際にお店に入って店主が働いている様をみて確信を得た。まだ、らーめんできていないがこれがハズレなわけがない。
ちなみにとんこつラーメン650円とかなりリーズナブル。儲けはあるのかと心配になってしまうレベル。なので、なんか申し訳なくなり味玉とメンマを足した。
ちなみにちょっと先に個人的に失敗したなと思ったのはメンマ。トッピングだと思って頼んだらおつまみ的なメンマだった。これを頼むときはごはんを頼んだ方がよさそうだ。次回くるとき、この失敗を活かしたい。
一度こちらでとんこつラーメンを食べたら、もう他の選択肢は浮かんでこない。そんなとんこつラーメン。
こちらでとんこつラーメンを食べてしまったら、特にとんこつラーメンがあまり好きではないわたしなどはよほどのことがないかぎり他のらーめん店にとんこつラーメンを食べに行こう、ということにはならなくなった。もはやわたしの中ではとんこつラーメンといえば愚直さんという一択になったと言って過言ではない。
さて、一杯一杯実直で真面目な店主が懇切丁寧につくっているとんこつラーメン、調理の待ち時間は15分ほどだっただろうか。待ち時間は長かったがようやくの御対面。ようやく会えましたな。
らーめんの一口目はスープからが流儀なのだが、こと更にこのお店に至ってはその流儀を通してきたことが大正解。こちらを訪れた多くの人々がこぞって絶賛するとおり、素晴らしいスープ。何が素晴らしいって、ここはどうしても月並みな表現にしかならないが、口当たりがクリーミー。味は豚骨らしく濃厚なのだが、決して脂っぽさが口にしつこく残らない。淡麗というのとは異なるがいわゆる一般的な豚骨ラーメンとは異なり、あとで胃にムカついたりとか言ったことがない、とでも言えばよいのだろうか。兎に角、店主の日頃の切磋琢磨の結晶というべきか、洗練度合いが他の豚骨ラーメンのお店とは段違い平行棒だった。ただただ文字通りの脱帽。被っていた帽子を脱いで店主に頭を下げたい気持ちになった。こんな感じで伝わっただろうか?それほどの感動が最初のスープ一口で駆け抜けたと思っていただけたら幸いだ。
ちなみにスープ以外の点に関して言うと650円のクオリティという感は否めない。その値段で集められる食材の美味しさを遺憾なく引き出してはいると思うがもし仮によりよい食材を使ったら、もう数段階上があるのではないか、というところだ。もちろん値段も跳ね上がってしまうことであろうが。この650円という値段は店主が固持したい一つの矜持の現れなのだろうと解釈しているので、そこはポジティブに受け止めたい。素晴らしいですよ、本当に。
しかしともあれ、とんこつラーメンが実は苦手なわたしが完飲こそ控えたわけだが、完飲したくなるほどスープがおいしいとんこつラーメン、これはスゴい!
もはやこちらでとんこつラーメンを食べてしまったら他の選択肢はわたしにはないかもしれない(東京23区の外にでてとんこつラーメンをたべたくなることでもないかぎり。うーむ、なさそう、、、)。
素晴らしいとんこつラーメンでした!ご馳走様でした!!
お題「復習らーめん」:このエントリは愚直さんのとんこつラーメンをどうしたらうまく絶賛できるか、微妙だと思った部分をいかにネガティブに伝わらないように書こうと考えあぐねて投稿するのが遅くなった。というわけでポストしたのは約一ヶ月後の11月19日(土)。
店舗情報( 2016-11-01 現在)
項目 | 詳細 |
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店名 | 愚直(ぐちょく) |
ジャンル | ラーメン、つけ麺 |
住所 | 東京都板橋区大谷口北町12-7セブンマンション1F |
交通手段 | 東武東上線、中板橋駅南口から徒歩約8分。 池袋駅東口(LABI1総本店池袋裏)から国際興業バス小茂根五丁目行き、光が丘行きの両路線を利用、「下頭橋」バス停前。中板橋駅から487m |
営業時間 | [昼の部]12:00-15:00(L.O.14:50) / [夜の部]20:00-22:00(L.O.21:50) ※売り切れ次第終了ランチ営業、日曜営業 |
定休日 | 月曜日、木曜日 |
カード | 不可 |
席数 | 7席(カウンターのみ) |
個室 | 無 |
貸切 | 不可 |
禁煙・喫煙 | 完全禁煙 |
オープン日 | 2007年4月5日 |
看板メニュー | とんこつラーメン |
ラーメンラリー有無 | 無 |